男と女の、思い出し方の違い

男と女の、思い出し方の違い恋愛を何度か経験すると、折に触れて、過去の恋愛を思い出すことがあります。
昔の恋人に似ている人との出会い、懐かしい音楽を聴いたとき、印象的な景色を見たとき、恋人と一緒に食べた料理を再び口にしたとき…。
思い出すきっかけとなる要素はいろいろとありますが、ところで、過去の恋愛を思い出す際、男女のあいだになにか違いはないでしょうか。
同じような状況で思い出すとしても、そのきっかけとなる要素、あるいは思い出し方には差があるはずです。
そのあたりを考えてみましょう。

男性の恋というのは見た目に大きく左右されます。
彼らは頭で考え、目で見て恋をしますから、自分が理想とする美人との出会いにはめっぽう弱く、その瞬間を一枚の写真のようにして、記憶のなかにしまってしまいます。
そして、いつかその恋が終わってしまったあとでも、まるで記憶のアルバムをめくるように、その瞬間の一枚を思い出し、そのときの女性の美しさに浸るのです。
これは、男性が感性を基準として恋をする故に可能なことなのです。

一方、女性にとって気になる人との出会いというのは男性に比べて衝撃的なものが多く、相手の見た目よりも、醸し出される雰囲気のほうにより強く反応します。
それは、女性というものが心、つまり素直に感情で恋をするからで、相手の印象とともに、自分の心の疼きまでもが出会いの記憶としてインプットされてしまいます。
それゆえに、女性にとって過去の恋愛というのは、当時の感情までもが一緒に思い出されるものであり、ときにはそれが重荷となってしまうこともあるのです。

こうして比べてみると、どちらもその当時の自分の主観をもとに過去の恋愛の記憶が形成されているようにも思われますが、しかし、よく分析してみると、男性の場合は積極的な主観であり、女性の場合は受動的に作られた主観であることがわかります。
男性は自分なりの美の基準を持ち、それに見合った女性との出会いに心を動かし、自分の主観と目の前の光景とを積極的に結び付けようとします。

反対に女性は、明確な恋の対象というものをもたず、行き当たりばったりの出会いのなかから、あるときふと強烈な恋心を生成し、それを生長させて自分の主観としていくのです。
ですから、過去の恋愛の思い出し方にしても、男性はときに無理矢理自分の記憶に照らし合わせようとしますが、女性の場合はあくまでも心が反応するのを待ち、そのときの状況に合わせて受動的に思い出していくのです。

また、もうひとつ、男女間で思い出し方の違いが分かりやすい例を挙げておきましょう。
カラオケで誰かが思い出の歌をうたったときのことです。
男性は、自分もその歌をうたった、という記憶にからめて過去を思い出し、女性の場合は、誰かがわたしのために歌ってくれた、という記憶から、過去の恋愛を思い出すのです。
男性は誰かになにかを与えた記憶を、女性は、誰かになにかをもらった記憶をもとに、過去の恋愛を思い出すのです。

  • 連載数:全5回
  • 紹介文:過去の恋愛を思い出すとき、それは新しい恋に挑む前触れ。勇気を持って踏み出しましょう。
2014.12.01