積極的な過去とのかかわり方

積極的な過去とのかかわり方過去の恋愛体験というのは五感を通じて思い出すことがよくあります。
目、耳、鼻、舌、肌、これに第六感である感情が加われば、その記憶はより強い衝動となってよみがえってきます。
恋が終わってからまだ日が浅いうちは、過去の恋愛に対する感情も小さな火種のように残っていますから、人は、五感プラス第六感(感情)を通じて、意識的であれ、無意識的であれ過去の恋愛を思い出します。

感情の揺れというのは地震のように突然やってきますが、その後にいったいどんな行動をとるかは人それぞれ、感情をより確かなものとするために、昔のアルバムを開いてみたり、まだ保存したままの古いメールを何度も読み返してみたり、ときには二人の出会いの場所や、思い出の場所、いろいろな記念日を過ごした場所に行ってみる人さえいるかもしれません。
このなかでも、出会いの場所というのは思った以上に重要なもので、その場所に行って過去の恋愛を思い出そうとするなら、その人はきっと、過去の恋愛に決着をつけようとしているのかもしれません。

しかし、時がたつと、過去の恋愛を思い出しても、第六感が反応しなくなるときがあります。
それはまさしく、過去の恋愛が完全に風化してしまった証拠です。
恋が風化すると、昔の写真を見ても意外と素直に笑えたり、相手のことをより正確に評価できたりするようになります。
別れたときのマイナスな感情も消え、安全な距離を保つことができる友人として認識できるようになるのです。

失恋したのちの状態として、このような流れは理想的なものかもしれませんが、別れが曖昧であればあるほど、恋の風化には時間がかかります。
時間がかかるということは、恋の火種が延々とくすぶり続けるということで、それはほんのちょっとの風でまた大きく燃え上がったりもするのです。
こんなときに五感で過去の記憶を探し出そうとするなら、やがては抜け出せなくなってしまう可能性もありますから、過去の恋愛を頻繁に思い出してしまうようなら、まずは手もとにある物理的なものから排除していく必要があります。
自分は過去の恋愛を引きずるタイプだ、と自覚している人は、周りにこうした五感を刺激するものを多々持っており、しかもそれらを捨てきれない性格の人が多いです。
また、あるいは、過去を引きずることが一種の習慣となり、そのことで自分を保っているという場合もあります。

とはいえ、過去の恋愛を、感情とともに思い出すということはかならずしもネガティブなことだけではありません。
感情とともに思い出すことで、他人の恋の悩みなどにもより深く共感できるようになり、親身になって相談に乗ってあげられるようにもなります。
人間としての深みが増し、より良い恋愛との出会いにも恵まれるようになります。
ですから、おりに触れて、五感から得られる記憶を頼りに、風化していった過去の感情を思い出してみるというのもいいことです。
それは自分の歴史を探る行為でもあり、そこから新しい自分との出会いも生まれます。
また、自分の感情をコントロールすることにもつながり、将来を見据えた確かな恋愛をしていくときにも役立つことでしょう。

  • 連載数:全5回
  • 紹介文:過去の恋愛を思い出すとき、それは新しい恋に挑む前触れ。勇気を持って踏み出しましょう。
2014.12.01